福井鉄道の2009年度上半期

福井鉄道 モ888-889号

 福井鉄道の2009年度上半期の乗客数が速報されました。82万4903人、前年度同期比0.2%の微増だそうです。
上半期、福武線の乗客微増82万人 景気悪化、定期外は減少 福井新聞
 福井鉄道の鉄道事業再構築事業の概要 福井鉄道公式サイト
いちおう復習しておくと、福井鉄道の再建計画は、国から認定を受けた再構築事業ということで、乗客数を平成19年度の161万人から10年間で200万人台にして、収支の均衡を図ることになっています。簡単に考えると、1年で4万人づつ乗客が増えていかなければ、目標を達成できず、再建計画が達成されないわけです。しかし、一般的には、地方鉄道の乗客数は前年比微増くらいで上出来なので、毎年4万人増やしていくことは容易なことではありません。
 鉄道の乗客数には、沿線人口とか景気とか天候とか沿線集客施設の業績など、様々な要因に左右されるし、事業者が努力できる範囲も限られています。経営目標は本来、実績に合わせて見直していくものですが、乗客200万人台で収支均衡でそれを目指しているのであれば、200万人は固定で、それに至るプロセスでの数字合わせにしかなりません。
 福井鉄道の再建問題については、経営危機以降、何回も書きました。いろいろ思うことはあったけども、現にこのような形で再建計画が実行されている以上、例えば、それが「数字合わせ」であることを非難しても、何も始まらないであろうと思います。だから、福井鉄道が再生を遂げるためには、沿線のみなさんが「数字合わせ」に付き合ってあげるしかないんですね。言い方は非常に悪いですが。
 福井鉄道はいろいろ努力をしていると思います。名鉄株主時代に比べると、ホームページに出ているトピックスは格段に増えました。しかし、乗客数は結果として動かしがたいものです。いろいろやったけどだめでした、努力を買ってくださいという話ではない。記事に引かれている県議会での「沿線住民の熱意が冷めてはいないか」という発言が気になります。