長崎電気軌道 年度内値上げ

長崎電気軌道 3001号

 1年くらい前から、何度か新聞記事で値上げを示唆する観測気球が上がっていた長崎電気軌道の運賃について、昨日の同社の株主総会で、年度内には値上げに踏み切ることが表明されました。
 路面電車、年度内に値上げ 長崎電気軌道、全国最安は維持 長崎新聞
値上げには、電停のバリアフリー化と低床車両の導入などが引き換えになっていて、時期は明確になっていませんが、低床車両を新たに2編成導入することも併せて表明されています。値上げの時期と幅は発表されていませんが、「全国最低は維持する」とのことなので、記事にもあるように、大人110円か120円か130円を考えているのでしょう。
 かつて100円運賃が注目され、路面電車業界の経営の優等生のように言われてきた同社ですが、近年、事故の発生やその対処の問題が明らかになると、やはりどこかに無理があったのではないかとも感じられました。古い車両も多く、計画的な体質改善が必要なことも課題としてあります。
 現状は、乗客数も下げ止まったとのことで、わずかながらに利益も出ていますが、25年間も値上げしていないこと、連続事故が発生し安全対策が必要なこと、そして記事に書いてあるような施設、車両などへの投資など諸事情を考慮すると、この際、値上げが必要なことは十分に理解できるところです。
 さらに値上げが可能になった背景として、ICカードが導入され、それに伴い料金箱が整備されたということもあるでしょう。過去に運賃いくらで何キロ乗れるか調べたことがあったかと思いますが、もともと100円は破格なので、値上げしても適正水準のまだ安いほうに収まるはずです。サービスと安全性の向上に努めていただければ、それでいいんじゃないでしょうか。