阪堺電車 天王寺〜浜寺駅前間直通運転

阪堺電気軌道 モ166号

 阪堺電車が今年7月のダイヤ改正で、従来恵比寿町から浜寺駅前で運行していた系統を、天王寺駅前から浜寺駅前に切り替えることを発表したそうです。恵比寿町発着の電車は、朝夕を除き、我孫子道行きになるとのこと。
 36年ぶりに天王寺ターミナルと浜寺をチン電が結ぶ 阪堺電軌 産経新聞
記事を読むと、阪堺線の乗客数は昭和50年は1日あたり約13万人から約8千人まで減少したそうで、ピーク時の6分の1と言われる阪堺電車全体の乗客減に比べても落ち込みが激しいようです。もともと南海電車と競合しているし、この期間で言うと、地下鉄の堺筋線天下茶屋まで延びてきているなど、一般的な傾向以上に減少する要素があったかもしれません。他方、上町線は平行路線がなく、その強みを今回の天王寺駅前から浜寺駅前間の直通系統を復活させることによって、さらに生かそうということだと思います。記事にもあるように天王寺駅前周辺の再開発が、ターミナルとしての魅力を高めているということも戦略の中には折り込まれているようです。
 この系統変更によって成果が得られるかは、結局、我孫子道を越えて天王寺方面へ向かうお客さんが増えるかということにかかってきます。直通電車ができたから天王寺へいってみるかというお客さんがどれくらい増えるのか。このことが、今は先行きの見えない堺市LRT計画にも、阪堺線の恵比寿町〜住吉間の将来にも影響を及ぼすことになるのかもしれません。