JR吉備線のLRT化について(その2)

JR西日本 キハ40

 吉備線LRT化がついに始動かという記事を紹介しておきます。
 都心回遊性や地域拠点連携 岡山市が交通検討会議設置 岡山日日新聞
 岡山市が都市交通戦略会議 吉備線のLRT化視野 山陽新聞
 岡山市都市交通戦略検討会議 都市交通体系考える 第1回会合開く /岡山 毎日新聞
JR西日本吉備線富山港線LRT化を検討というニュースがあったのが2003年のことでした。あらためて言うまでもなく、2006年に富山港線富山ライトレールとして生まれ変わりました。吉備線はというと、市民団体、商工会議所などの提案があり、また、道路の改築にあたって吉備線LRT化構想との整合を図るというような話もありながら、事業化に向けた行政の動きというのは、見えていませんでした。
 上の記事は、「岡山市都市交通戦略検討会議」の会合が持たれ、今年度中に「都市交通戦略」をまとめることになったというものです。その中で、吉備線LRT化や岡山電気軌道路面電車環状線化などが議題に上げられています。「都市交通戦略の策定は、LRT導入に向けた国補助を受ける条件」ですから、今までの市民団体等の提言を受け、行政として事業化への意思を明らかにしたとみてよいでしょう。
 期せずして、かどうか分かりませんが、既存鉄道のLRT化と既存軌道の延伸環状線化という項目は富山と見事に一致しています。ただ事情として違うのは、富山駅は高架化されるのに対し、岡山駅は橋上駅舎化されるだけという点です。新設LRTと既存軌道の接続の容易さという意味でも大きく違いますが、富山ライトレールの建設費の半分以上の出所となった連続立体交差事業のようなものは岡山にはないというところも気に留めておかねばなりません。
 岡山市役所のサイトを検索してみると、LRT一般についての啓蒙用資料のようなものに混じって、こんなものが引っかかりました。
 2 道路特定財源の有効活用について 岡山市役所(PDFファイル)
昨年の夏に、おそらく国や県、議員への陳情用にとりまとめた、「政策提言・要望事項」という資料の一葉で、「既存鉄道である吉備線のLRT化の検討を進めており、LRTシステムが幹線道路を補完する機能を有することから、LRTシステム全体の整備に道路特定財源を活用すること」と書いてあります。先日コメント欄で道路特定財源について書いていただくまで私もあまり意識したことがなかったのですが、表現に適切さを欠くかもしれないけど、LRTの整備についても特定財源という「潤沢な財布」を当てにしているという見方もできなくはないでしょう。道路特定財源が存続するにせよ、使途の見直しは不可避な状況になりつつあるようですから、そういう状況の変化も今後のLRTの整備に大きな影響を与える可能性があるだろうと思います。