福井鉄道のダイヤ改正について

福井鉄道 モ803号

 経営危機が表面化し、大きく揺れる福井鉄道、12月16日のダイヤ改正が発表されています。
 ダイヤ改正のお知らせ 福井鉄道公式サイト(PDFファイル)
 低床シャトル便24本 福鉄・福武線 16日から 福井新聞
昼間の時間帯で、武生新発の電車をすべて福井駅前行きとし、福井駅前と田原町間で800型を使用したシャトル便を運行するそうです。昨年の4月に、福井駅前を経由せずに田原町へ行っていたのを福井駅前を経由することにし、今回は福井駅前止めにして、田原町へは別の電車が接続することになるわけで、運行形態としては大きな変更といえるでしょう。発表では、新幸橋軌道線開通に伴う武生新田原町間での所要時間短縮を目的とした、と書いてあるわけですが、毎時3本ある武生新発の電車のうち、2本しか田原町行きに接続しないことになるので、トータルとして利便性の向上になるのかというと、よく分かりません。
 はるか昔の写真を見ると、武生新からの電車は福井駅前行きで、田原町福井駅前間に小型車両が運行されていたようです。今回はその復活ということなのでしょうか。あるいは、将来のえちぜん鉄道LRT化を見越したものなのでしょうか、どちらでもなくて、ただ単に800型が有効活用されていないからということなのでしょうか。改正理由を額面どおりに受け取ると不可解な部分は残ります。
 この日記の初期にそういうことを書いていますが、岐阜の廃線の際、800型は豊橋鉄道福井鉄道で取り合いになった経緯があって、結局福井鉄道が2両引き取ることになりました。福井鉄道は大型車両で運行されていたので、とても意外に思った記憶があります。ひとつの理想を言えば、例えば市内線区間で、800型のような比較的小型の車両が高頻度で運行されれば、本来の意味での利便性の向上にはつながるでしょう。今回の改正がその一歩となるのか、前の方がよかったとなるのか、大げさに言えば、福井鉄道の将来的なあり方にも関係してきそうなダイヤ改正のように思います。