郷愁の路面電車 DVDBOOK

函館市電 駒場車庫

 書籍の紹介です。宝島社から『郷愁の路面電車DVDBOOK』という本が発売になっています。宝島社では鉄道DVDBOOKというシリーズを出していて、既刊ではSLとかブルートレインなど8冊出ています。既刊書は見ていないので、それらとの内容の比較はできませんが、価格的には既刊書が3000円以上するのに対し、1680円とお買い得になっています。

郷愁の路面電車DVDブック (宝島MOOK)

郷愁の路面電車DVDブック (宝島MOOK)

 メインのDVDは、札幌市電をはじめとする9社の走行シーンと全面展望、沿線風景、名所、名物案内をドキュメンタリータッチでまとめたもので、映像としてのクオリティは高いと思います。出てくる電車や塗装から判断して、撮影は数年前、つまり2000年前後と思われ、私は見たことがない映像ですが、この本の出版のために、新たに撮影したものではないようです。したがって、熊本市電の超低床車以外の最近のニューフェースは登場しないし、こっちがいろいろな場所を知っているからかもしれませんが、分量的にも物足りない部分は残ります。あとこのDVDには、パソコンのディスクトップ用の壁紙が10点収納されています。
 読み物の方は、世田谷線今昔、函館市電のルポ、「こんなトラムがあったら」というファンタジー系読み物、各地の個性的な電車の紹介、日本の路面電車史ダイジェストとノスタルジー系読み物という具合で、バラエティーに富んでいて、かつバランスのとれた構成になっています。個々の記事の細かいこと言えば、言うこともないではないのですが、いろいろな意味で制約があると思われるDVDの付録としてはよくまとまっています。
 「郷愁の」というタイトルでありながら、それほどノスタルジー感を全面に押し出したものではありません。それだけに、例えば、映像でも読み物の記事でも、最近の各地の新しい路面電車たちの動向を取り上げてもらっていれば、もっとよいものになったように思います。
 今日の画像は函館市電駒場車庫です。この本の表紙が函館市電なので、貼ってみました。