SWIMO(スイモ)札幌へ

札幌市電 253号

 前回の記事で、川崎重工製のバッテリートラムSWIMOも、そろそろ札幌にと書いたのですが、12月4日に札幌市電の電車事業所で報道公開が行われていました。
 札幌市の新型車両、電池市電「スイモ」を公開 北海道新聞
記事には、「将来の市電候補」などと書いてありますが、今のところは、鉄道総研のHi-Tram(ハイ!トラム)と同様、札幌市電の路線を使用して、長期実証実験を行うということになっています。もっとも、製造元が鉄道総研で純粋に研究目的であるHi-Tramとは違って、SWIMOは車両メーカーによる試作品なので、実験結果次第では札幌市電で買うことはできるかもしれません。過去には「軽快電車」として試作され広島電鉄の3501号のように、試作車から営業車への転用が行われた例があります。
 この北海道新聞の動画を見る限り、試作車といいつつ、少しカスタマイズすれば営業運転での使用が可能なように見受けられます。デザイン的には、もう少し洗練されてほしいようにも思いますが、メーカーとしては、相当の完成度を持たせた自信作なのでしょう。
 札幌市電には、最近目立った動きはありませんが、JR札幌駅までの路線延伸・復活構想があります。古い車両の更新の必要もあり、架線なしでも走れるハイブリッドトラムに注目が集まっているところで、バッテリートラムの札幌での実験は、場所を得ているといってもよいでしょう。すでに営業線での運行実験がはじまっているHi-Tramに続いて、17日からSWIMOも走りはじめ、それぞれ来年3月下旬まで実験が続けられるとのことです。札幌市電は、かつて珍しい路面ディーゼルカーを走らせた歴史もあり、ヨーロピアンスタイルの連接車にも、早くから着目していました。この実験をきっかけに、札幌で、新世代の路面電車が新たな歴史を刻み始めることになるのでしょうか。