広島電鉄白島線 信用乗車実証実験 

広島電鉄 白島線料金箱

 広島電鉄が、ICカードPASPYの導入に合わせて信用乗車制度を導入する意向があって、それは規定路線なのですが、ちょっと具体的な記事が出ていました。
 広電・白島線「信用乗車」の実証実験 朝日新聞
 前回の発表の際に書いた記事はこちら。
 広島電鉄 信用乗車制度導入へ - 猫電車日記
白島線から導入とすでに発表されていますが、今回は、あくまでも「実験」との位置づけで、ICカード利用者に限り来年3月から半年ないし1年間行われるとのことです。磁気カードと現金の利用者は対象外ということで、「車掌を廃止」と打ち上げた当初の発表からすると、ちょっと慎重な「実験」だという印象を受けます。記事にもあるように富山ライトレールでは、同様の信用乗車を一部時間帯に実施しているので、その拡大版という無難な線を狙っているようです。
 白島線は単車での運行だし、比較的お客さんも多くないので、運転士さんの目が行き届かないことはないでしょう。導入のメリットもあまり大きくない分、不正乗車によるデメリットも小さいので、「実験」には適しているかもしれません。信用乗車制度の本格導入のためには、現金での利用者に所持してもらうチケットを買ってもらう必要があるとか、不正乗車に対するペナルティを制度として整備する必要があるなど、今回の「実験」の範囲に含まれない事柄での課題が多いように思います。そういう意味で、この「実験」はとりあえず手始めにというくらいの意義を超えるものではないでしょう。
 ところで、信用乗車制度を円滑に進めるには、ICカードの普及が不可欠だと思われますが、岡山ではJRのICOCAが好調なのに対し、先行した岡電などのHarecaが苦戦しているそうです。
 乗車ICカード 明 暗 JR西日本イコカ 県内バス3社ハレカ 山陽新聞
広電などが導入するPASPYは、広島地区ではICOCAの後発となります。どれだけ持ちたい魅力のあるICカードとしてスタートするのか、定期券の利用者からの切り替えを呼び込めるのか、信用乗車の導入とも関連して、注目しておきたいと思います。