福井鉄道再建問題 その後の動き

福井鉄道 モ882−3号

 先週発表された福井鉄道の再建問題、週明け以降の動きを追っておきます。
 まず10日に福井市長が市議会で「(福鉄を)残す方向で検討したい」と答弁しています。
 福井鉄道 福井市長『残す方向で』 中日新聞
「県を中心に、沿線三市と問題に取り組んでいく」とのことで、これが今のところ言える最大限の内容でしょうか。10日の段階では、福鉄から福井市へのアプローチはないとのこと。ところで、病院から役所に通っていた福井市長はその後治療に専念とのことで、14日付けで職務代理者を置いたため、市長に会って申し入れるのは当分無理な状況と思われます。
 鯖江市には12日に行って、市長に申し入れをした模様です。
 福井鉄道:福武線で再建協議、鯖江市に申し入れ /福井 毎日新聞
福鉄から再建計画を協議する場の設置を申し入れたのに対し、鯖江市長は、「福武線は住民福祉やまちづくりに必要」としつつ、「厳しい財政の中、市民や議会の理解を得るには企業努力を示してほしい。これまでの取り組みに疑問を持っている議員もいる」と述べたとのこと。当然ですが厳しいですね。
 福井県は知事が県議会の答弁で、「運行が確保されることは重要だ」と述べています。
 西川知事「福鉄の運行確保が重要」 福井放送
「運行が確保されることは重要であるが、福井鉄道に再建計画を出してもらい、その上で協議に臨む」とのこと。妙案はないにせよ、話を進めるためには、手順として、福鉄から何らかの案を示す必要がありそうです。
 さて、以上の記事を探す過程で、こういう記事を見つけたので、あわせて紹介しておきます。
 名鉄がグループの鉄道バス再建加速 中部経済新聞
今年の1月の記事で、内容は名古屋鉄道がグループの地方鉄道・バス会社の再建を加速させているというものです。同社の中期経営計画には、グループ会社の「全社黒字化」が掲げられているそうです。「福井鉄道は関係自治体の支援を受ける方向で最終的な交渉に入っており、同じく2008年3月期に黒字転換をめざしている」というのは、不調に終った地方公共団体による維持管理費の負担を前提にした話でしょう。親会社としての名鉄の立場は、今後の地方公共団体との協議の成り行き次第では、割り切ったものになるかもしれないなと思いました。