変わるJR長崎駅周辺と路面電車

長崎電気軌道 201号

 かつて、というのは数年前まででしょうか、JR長崎駅は三角屋根でステンドグラスのある趣きのある駅舎でした。今はJRの系列ホテルができていますが、駅舎そのものは、無味乾燥なものになってしまいました。「JR長崎本線線連続立体交差事業」というのがあって、長崎駅を高架化する計画だそうです。だから、今の駅は仮設という位置づけなのでしょう。
 県とJR基本合意 長崎線連続立体交差事業 長崎新聞
その連続立体交差事業では、長崎駅の高架化、現在長崎駅にある車両基地の移転をめぐって、JRとの協議が難航していたところ、このたび基本合意に達して、早ければ来年度にも着手の見通しとなったそうです。完成までには15年くらいかかるとのこと。
 それで、この記事を読むと、関連して「長崎駅周辺土地区画整理事業」が行われるそうです。長崎市が駅前広場の整備と「電車を駅構内に引き込むトランジットモール用地」、周辺道路などを整備する計画です。この記事でいう「電車」とは、文脈から考えて、すなわち路面電車のことで、JR駅の高架化に伴い、長崎電気軌道長崎駅前電停も移設される計画があると読めます。長崎市のサイトを検索してみましたが、事業の熟度が低いからか、具体的な絵までは見つかりませんでした。今日の画像は、現在の長崎駅前の電停ですが、駅前のデッキに上がってから、歩道橋を降りて行くようになっていて、せっかく超低床電車を入れているのに、玄関口に大きなバリアーがあるともいえる状態になっています。今回の区画整理事業の実施に伴って、そのあたりの改善が期待できるでしょう。「トランジットモール」という言葉も出ているので、どのように整備されるのか、興味深いところです。しかし、15年先というと長い話ですね。
 長崎関係でもうひとつ記事があったので、あわせて紹介しておきます。芝生軌道の効果測定について。
 温暖化抑制の効果調査 路面電車軌道敷の芝生部分 長崎新聞
結果はまだ出ていないと。スポット的にはともかく、大きな効果があるとは思えませんが、将来的にトランジットモールに芝生軌道が整備されると、景観の面でも、環境の面でも、それなりの効果があるのではないでしょうか。