阪神国道電車の保存車を訪ねて

阪神電気鉄道 71号

 出かけた帰りに思いつきで阪神国道電車の保存車両を見てきました。尼崎センタープール前の駅から歩いて10分くらい、競艇場のはずれの「水明公園」の一角に71号が保存されています。今週の平日はずっと出勤してほとんどオフィスにいたので、「猛暑」の実感はなかったのですが、今日もひどく暑く、10分も歩くとどっど汗が噴出してきます。
 併用線の保存車両 まにあっく・阪神
 このページで紹介されている3両のうち、もっとも原型を保っているとされている伊丹の79号は、残念ながらこの場所には現存しないそうです。それ以上のことは知りません。今日見てきた71号は車両が保存されているというよりも、集会所に転用された車両が現存していると言った方が適切で、扉が付け替えられていたりしていますが、塗装の色合いが違うものの、状態そのものは決して悪くはありません。公園という場所に置く以上やむをえないのでしょうが、フェンスに囲われていて、写真を撮るのは難しい状態です。それでも、「金魚蜂」と呼ばれた大きな窓を持つエレガントなスタイルは味わえます。昭和初期の路面電車の名車のひとつと言って差し支えないでしょう。
 私は阪神国道電車に乗ったことはなくて、出会ったのも1回しかありません。阪神パークに行ったとき、おそらく遠足だったはずですが、阪神パークの前をゴロゴロと行き交う茶色い電車を見た記憶があるだけです。当時の阪神パークには「レオポン」がいました。それも覚えていますが、覚えているのはその2つだけです。
 尼崎センタープール駅の高架下には、阪神電車の乗務員養成所があって、野上電気鉄道から引き上げてきた車両が2両保存されています。通常は非公開で、公道から二重のフェンス越しでかなり遠いのですが、見えないことはありません。ここに「金魚蜂」も置いてやれないのかなあと思って、眺めました。