堺のLRT 臨海部へなど

阪堺電気軌道 モ605号

 堺市の次世代電車、臨海部まで延伸 読売新聞
堺のLRTは、もともと臨海部〜南海電車堺駅南海電車堺東駅〜JR堺駅の約8kmの区間に整備されるという計画があります。そしてそのうち堺駅堺東駅の約1.7kmの区間を「早期開業区間」と位置づけ、事業化の準備が進められています。今回の報道は、さらに堺東駅〜臨海部の区間について、臨海部にシャープの液晶パネル工場の立地が決まったため、「早期開業区間」と並行して整備することも想定し、事業化を検討することになったというものです。
 従業員が数千人規模とも書いてありますから、LRTとしては大口得意先になる可能性はありそうです。ただ、工場なので、24時間操業で3交代制とすれば、ほぼ特定の時間帯に集中して往復で2000人とか3000人を運んで、その他の時間帯は乗る人がいないという利用形態になりそうなので、あまりLRT向きの需要ではないような気もします。ともかく、白紙だった臨海部の土地利用が決まってきたことで、街づくりにあわせた交通手段として、具体的な検討に着手するきっかけができたということではあるでしょう。あるいは、工場誘致の話の中で、従業員の通勤手段の確保のような話もあったのかもしれません。今日の画像は、この話と多少は関係のある阪堺電車です。
 ニュースとしてはちょっと古くて恐縮ですが、岡山商工会議所吉備線LRT化について、岡山〜備中高松間の先行LRT化などの独自構想案をまとめたそうです。
 吉備線LRT化 備中高松まで先行を 岡山商議所が独自案 産経新聞
岡山商工会議所は、以前に吉備線の早期LRT化を求める要望書を提出していましたが、一歩踏み込んだ内容になっています。私は吉備線は1回乗っただけなんですが、印象としては、沿線の都市化の度合いというか人口密度にかなり濃淡があるように感じました。だから、こういう段階的な整備もありかなと思います。この場合の問題は、早く手を放したいであろうJR西日本がこういう提案に応じるかということでしょう。将来的に吉備線全線をLRT化して引き取るということが明確であれば、うまくいくかもしれません。検討するに値する提言だと思います。