路面電車の走る町

長崎電気軌道 701号

 久しぶりに書籍の紹介です。今日本屋でこんな本を見つけました。
『旅の手帖』という雑誌がありますが、その掲載記事をMOOKとして再構成したものです。メインはタイトルどおり、路面電車の走る町とご当地グルメの紹介で、今調べてみたところ、『旅の手帖』は2004年3月に同じタイトルの特集を組んでいるので、そのリニューアル版のようです。その後開業した富山ライトレールの記事もあるので、MOOK化に当たっては、新規取材も行われているようです。

 そういう本なので、マニア向けの電車形式の紹介などはありません。例えば富山地鉄のデ3533の写真のキャプションに「南富山駅前にあったボロボロの車両。軌道清掃につかわれているとか」と書いてあったりして、もうちょっといい紹介のしかたないものかとガッカリします。写真は「ありもの」が多いようで、ちょっと前のデザインの広告電車が走っています。サブタイトルの「青春18きっぷ」で行くというのはおまけで、例えば、大阪から札幌まで3日かけて行くような、あまり実用的でないモデルプランが載っています。とやかく言ってみるものの、路面電車のある町のガイドとして、見ていると行きたくなるグラフィカルな構成になっていて、そういう意味ではよくできています。
 話はこの本とあまり関係がなく、しかも独断ですが、路面電車のある街で、食べ物が美味しいのは、北陸方面じゃないかと思います。歴史的に京都との結びつきが強く、新鮮な食材と融合して独自の発展を遂げた料理が、関西人の舌に合うのかもしれませんが、そういう印象があります。あと「名物にうまいものなし」といいますが、広島のお好み焼きも長崎のちゃんぽんも、こういうのは他所では食べられないなあと思うようなのもあります。結局、店によりけりということですが。
 今日の画像は、長崎電気軌道の都電701号です。この本の表紙に使われているので、選んでみました。