えちぜん鉄道のLRT化について(その3)

JR福井駅西口

 今日は国土交通省が今の国会に提出する「地域公共交通の活性化・再生法案」の概要が明らかになったという記事が出ています。
 次世代路面電車 国交省新法案、規制緩和で導入促進 中日新聞
この記事によると、その概要は、「自治体と交通事業者、住民が作成した計画に基づき」、国が認めた事業に対しては、第3セクターなどが線路を建設、保有し、運行を別の企業が行う「上下分離方式」を認めること、市町村が運行企業に交付する補助金を地方債の発行で賄い、地方交付税で補てん、車両購入などに対する既存の補助金も優先的に配分するというもので、さらに、赤字ローカル線の再生策として、鉄道会社が路線の廃止を国に届け、1年間の準備期間を経て廃線となる仕組みに例外を設けることが盛り込まれています。
 軌道法では「委託」はできましたが、「上下分離方式」は認められておらす、LRTの建設に当たって制度的な手当てが求められていました。その意味で、膨大な初期投資を必要とするLRT整備を後押しする法案として、期待されます。その他バスやDMVに対する財政支援策もあるようです。この記事ではLRTを求める動きが全国で63件あるそうですが、そのうち何件が具体化していくのでしょうか。
 唐突に話が出てきた観のあるえちぜん鉄道LRT化も、この時流にのって、勢いがつきつつあるように見えます。
 坂川市長、ヒゲ線広場延伸に前向き姿勢、福鉄支援も 福井新聞
 えち鉄LRT化 理解訴え 北陸新幹線福井駅部整備で市長 ヒゲ線延伸も前向き 日刊県民福井
えちぜん鉄道LRT化のメリットを強調するだけでなく、福井鉄道の駅前に至る「ヒゲ線」のJR福井駅西口広場への延伸と、福井鉄道への財政的支援にも踏み込んだ説明となっています。ただ、記事で読んだ限り、えち鉄のLRT化に必要となる数十億円といわれる財源の手当ての方法は明らかではありません。
 今日の画像はJR福井駅の西口を出たところです。広場は工事中で、話題の「ヒゲ線」は向かって左側奥2〜300m先になります。どちらの記事も「延伸」と書いてあるので、既存の線路をJRの駅前広場まで延ばすという意味なのでしょうが、そのまま電車を通せる道路はありません。地元調整が必要という言及もあるので、どういう計画になっていくのか、興味深いところです。