コダクロームの広島〜紙屋町

広島電鉄 712号

 「僕のコダクローム」という有名な歌がありますが、私はコダクロームでガンガン写真を撮った世代ではありません。でも、何となく通ぶってみたいとき、独特の地味な発色のコダクロームを使ってみることがありました。派手に、でも自然に見えるようにと改良が重ねられたリバーサルフィルムの世界では、コダクロームは孤高といってもよい存在でした。このたびコダクロームの日本国内での販売と現像処理が終了になるということで、最近ずっとモノクロばかりだったMFカメラ・単焦点レンズで広電の沿線を歩くシリーズは、コダクロームで撮ってみました。撮影日は2007年1月20日です。今回歩いたのは、広電電車の系統でいうと1号線を広島港から広島駅ですが、今回はルートにこだわらず、何回かにわたって書いてみようと思います。
 この画像は紙屋町の交差点です。後に見えているのは、昨年末に建替構想が明らかになった「広電ビル」です。こうやってみると、ガラスを多用した、建築年代からいうと、斬新なデザインの建物ですが、すでに年代物の雰囲気も漂わせています。以前はよく紙屋町の交差点で写真を撮りました。まだ交差点に横断歩道があったころです。
 広島の神戸市電 紙屋町
電車がたくさん通るのは今も変わらないけれども、交差点に立って電車を眺めている距離感としては、何か遠く感じます。そして、長年交差点を走る電車を見守り続けてきたこのビルも、新たなランドマークに役目を譲ろうとしています。
 広島関係のニュースをひとつ。広島市アストラムライン延伸計画の見直しを検討というものです。
 アストラム延伸代替策も検討 中国新聞
広島の新交通システムであるアストラムラインは、現在の終点である広域公園前から延伸して西広島へ、さらに平和大通りを東進して広島駅へ至る路線と、本通から広大跡地までの延伸計画があります。これを既存の公共交通機関で代替することも検討すると広島市が表明したということです。既存の公共交通機関というのは、バスや広島電鉄路面電車が想定されていると思われますが、背景には3000億円という事業費がネックになっていることがあるのでしょう。