「富山ライトレール工事現場」の1年後

富山ライトレール 奥田中学校
 昨年の1月8日に富山ライトレールの新設併用軌道の予定地を歩いて、「富山ライトレール工事現場」という記事を2回書きました。そして先日、今年の1月8日に同じところを歩いてみました。上の画像は1年前の記事に使ったもので、旧富山港線富山ライトレールの分岐点である奥田中学校前の踏切です。
 1年前を振り返ってみると、正式に富山ライトレールの開業日は決まっていなくて、富山港線も営業中、併用軌道の新設工事が佳境に入ってきた時期でした。富山港線には画像の国鉄色の電車が復活し、フィナーレに向けて盛り上がりつつありました。もともと市長さんがゴールデンウィークには富山ライトレールとして開業したいと発言されていましたが、まだ工事や試運転が残っている状況で、本当に間に合うのかなあと思ったことを覚えています。はじめて歩く道は、実際の距離よりも感覚的に遠く感じました。当時この場所には駅はなく、帰りは富山口駅まで歩きました。
富山ライトレール 奥田中学校前
 そして、画像はちょうど1年後の同じ場所です。新旧の電車が対比できる場所がここしかないので、取り上げてみました。踏切の施設が撤去され、相当変わっていて定点の対比が分かりにくいのですが、画面で向かって右側から3分の1くらいのところにある電柱が、同じものです。富山港線富山ライトレールの接続部分になり、軌道工事は富山港線の営業終了後行われたようですが、1月の段階で、ゆるくカーブして舗装が新しくなっている部分があり、やはりそこがポートラムの走っている軌道になっていることが分かります。歩道も整備し直されています。短い工期の中で、周到に手順を踏んで切替えが行われたということでしょう。右側に伸びていた旧富山港線の線路は撤去されていて、現在、富山駅では、高架化工事に向けた仮線の建設も進んでいます。たった1年ですが、風景は大きく変わりました。もちろん変わったのは風景だけではありません。
 今日のニュースを紹介しておきます。
電鉄利用者が2.5倍に 交通社会実験 熊本日日新聞(閲覧には会員登録が必要)
昨年年末に行われた熊本電鉄LRT化交通社会実験で、利用者が目標の2倍を上回り2.5倍だったということが報じられています。利便性を高め、運賃を安くすれば利用される、つまり潜在的な需要はあることが明らかになって、実験の成果はあったと見るべきですが、次の段階として、事業として成り立つ水準とのバランスを考えていく必要があるでしょう。