LRTとDMV

熊本電鉄 9701号

 DMV実車を北海道から運んできて走行実験を行った富士市で、市民を対象にしたDMVのデモンストレーションの試乗モニターの募集が行われています。実施日は平成19年1月14日と21日。
 富士市制40周年記念 DMVデモンストレーション走行市民試乗モニターの募集について 富士市役所
前回の走行実験は深夜でしたが、今回は昼間、しかも営業中の岳南鉄道の路線を使って、一般の人を乗せて走るということで、非常に注目されます。一般人を乗せるという点では、北海道でもごく限られたイベントでしか行われいていないはずで、ここまで現実の運用に即したデモンストレーションは、はじめてではないでしょうか。
 もうひとつDMV関連で、新潟空港へのアクセスとしてDMVをという構想も出てきています。
 空港バス発着場、新潟駅南に新設 産経新聞
「中間的な取り組み」として、白新線を利用してDMVを走らせ、JR新潟駅新潟空港のアクセスを強化しようというアイデアだそうです。そういえば、新潟ってLRTの構想もあったなあと思って調べてみると、「棚上げ状態」になっているとのこと。
 政令市への視線<5>基幹公共交通 宙に浮くLRT議論 脱・車依存へ政治決断も鍵 新潟日報
市としてはバスを基幹交通にしたいということで、LRTについては、具体的な議論にはなっていないようです。「(基幹公共交通の)方向性を打ち出すリーダーシップが非常に不十分だ」との識者のコメントが紹介されています。でも、人間としてリーダーシップの資質を持った人が、抽象的にLRTの素晴らしさを説いても、何もはじまらないと思うのです。どんな街にしたいか、その街で基幹的な公共交通がどのような役割を果たすのか、ということが先にあり、そのためにはLRTが最適という結論が導かれて、さらに事業費はどうするかという部分がクリアされ、現実の計画として動き出すということではないでしょうか。たんに局所的な交通需要に対応するというだけでは、LRTの整備まではたどり着かないと思います。富山の場合は、富山港線からの転換と地鉄市内線の拡充がLRT計画の基本にあって、すなわち、すでにある鉄軌道を活用して、公共交通の核を作ろうという点が、LRT推進の重要なポイントになっていることをおさえておくべきでしょう。
 既存の鉄軌道の活用という意味では、熊本電鉄熊本市電と接続してLRT化しようという計画には、期待できるものがあります。
 LRT:幸山・熊本市長「市電と結びたい」−−熊本電鉄の市民研究会 /熊本 毎日新聞
新潟と熊本の話題が出てきたので、今日の画像は新潟トランシス製の熊本市電9700形を貼ってみました。