ある申請取り下げ

名古屋鉄道 571号

 いつも路面電車とその周辺の情報を探してネット上を巡回し、このブログを書いているのですが、ネット上にある膨大な情報をすべて把握できるわけではないので、抜け落ちるものが出てきます。今日書くのは、日付としては1か月も前の出来事です。
 「軌道事業特許申請」の取下げについて。 岐阜地区新鉄道設立準備室
「新聞各紙で既報のとおり」とあるので、報道はあったはずなのですが、気がつきませんでした。岐阜の路面電車の再生を目指す組織が、3月に申請した路面電車事業の特許が、申請取り下げという形で、決着したというものです。
 取り下げ理由が3項目ほど書いてあります。「沿線自治体・名古屋鉄道との調整結果 が大切」などというのは、運輸局に言われるまでもなく分かっていたはずで、それを待てないから先行して特許申請したのだと私は勝手に思っていたのですが、書いてあるとおりとすれば、どうやらそうではないようです。
 出直しなのか、断念なのか、青字で書いてある説明も意味がとりにくくて、どっちでもとれるように思うのですが、申請を行った主体としては断念ということで、「地元各層」が「主導」することが「意図されて」いると読むのでしょうか。そもそも、「意図されて」という主体の不明確な表現が使われているので、誰が思っていることなのかも分かりません。「地元各層」が「主導」してくれたらいいのになあという希望を述べているだけなのかもしれません。
 確かに、岐阜の路面電車の復活に向けた集まりが持たれたというような記事は、今でも時々記事になっています。それが、「地元各層」の「主導」にまでつながっていく動きなのかと言われると、首をかしげざるを得ません。しかし、世の中に廃線になった鉄道はたくさんありますが、ここまで「復活運動」が尾を引くのも珍しく、そこには何かの理由があるのではないかとも思います。それが何かはよく分かりません。もしかしたら、ただ惰性で続いているだけなのかもしれませんが、分からないから断定できません。特許申請の取り下げをもって、一区切り付いたということだけは確実に言えるだろうと思います。
 画像は名古屋鉄道が運行した路面電車の最終日、名鉄岐阜駅前です。マニアが車にひかれるとか、そういう事故がなくてよかったですね。あらためてこの画像を見て、そんなことを思いました。