堺のLRTについて

阪堺電気軌道 168号

 昨日一部で報道された、堺市が募集したLRT、東西鉄軌道の提案募集の結果が、堺市役所のサイトで報道発表資料として提供されています。
 東西鉄軌道事業 企画提案の募集結果について 堺市役所
 29件の提案があったと報じられていましたが、内訳としては経営提案が1件、技術提案が28件となっています。中でも経営提案として南海と阪堺共同で「東西鉄軌道と阪堺線の相互直通および阪堺線との一体運営に関する提案」がされているのが注目です。
 富山ライトレールは、将来的に既存の路面電車である富山地方鉄道路面電車と接続し、ネットワークを形成して、「コンパクトなまちづくり」の実践としてLRTが位置づけられていて、それが富山のLRT計画の骨格なのです。だから、路面電車でなければならないのです。計画そのものも地鉄との連携で進められているし、富山ライトレールの乗務員さんも地鉄からの出向になっています。これを堺市に置き換えてみたらどうなるか、言うまでもないことでしょう。提案という形をとっているので、実現するかは別の話ですが、南海グループが公式に名乗りを挙げているところが、とにかく注目されます。
 あと車両関係では、架線レス電車の実験で実績のあるところからの提案が出ています。私は個人的には架線レスLRVは、どこかで実現してほしいのですが、堺のLRVのタイムスケジュールである2、3年後に開業という予定であれば、仮に私が経営者であるとして、現時点で架線レスを前提に計画を策定することは、躊躇せざるを得ません。
 従来型の車両で言えば、新潟トランシスのほかに、グリーンムーバーmax近畿車輛三菱重工のグループが商社と組んで、車両だけでなく、システムとしての売り込みをかけているのも注目されます。
 これから、いよいよ具体的な事業の形を決めていくことになると思います。なぜ、バスではなく電車にする必要があるのか、しっかり説明のできる事業として立ち上げることが重要になってくるのではないでしょうか。