函館市電 8101号のこと

函館市電 8101号

 函館市電で、530号のほかに乗っておきたいと思っていた電車が8100形8101号です。いわゆる各地に登場した低床タイプの電車で唯一未乗だった電車です。決まったダイヤで運行されていて、函館市交通局のサイトのも公表されていますが、この日は1回目は別の電車が走っていて、2回目からの運行でした。
 この電車は、車体に「車椅子対応部分低床車」と書いてあるように、中央入口のところだけが低くフラットになっていて、その前後の客席部分にはステップがあります。新車ではなく、在来車の車体を新しく造った形なので、完全低床車ではありません。私が乗っていたのときも、ちょうどベビーカーを押したカップルが乗ってきて、そういう目的にはよく合っているのですが、特に後部の客席に座ろうとすると、乗ってステップを上がり、降りるときにステップを降りて、もう1回ステップを上がって前の客席部分に移動して運転台横で料金を払い、ステップを降りて降車するという流れになって、あまりバリアフリーではありません。この電車は2002年に登場し、当時とんどん増やす予定と言われていました。ネット上で探してみると、日本路面電車同好会さんのサイトに当時のニュースが残っていて、「2009年度までに6両を導入する計画」と書いてあります。
 http://homepage1.nifty.com/tram/news/tnews2-2002-1.htm
函館市電には、来年から、完全低床タイプの電車が走ることになっているので、当初の予定どおりではなく、8100形は1両で終わりそうです。在来車の更新ということで、工夫して費用をかけずに低床車を入れたけれども、実際は使い勝手が予想以上に悪かったこともあるだろうし、各地に低床車が登場して技術的にも進歩し、他の選択肢が可能になったということもあるでしょう。今から見ると、過渡期的な時期に造られた電車ということが言えると思います。
 ニュースを2つ、メモしておきます。
 富山LRT、8月末まで利用者65万8000人 北日本放送
富山ライトレールの開業から8月末までの利用者が65万8000人となり、1日あたりの平均利用者数は5264人だそうです。採算ラインが5000人/日で、当分達成は困難なので赤字覚悟とされていましたが、予想外の健闘が続いているようです。
 LRTの問題点を検証 『考える県民の会』発足へ 東京新聞
宇都宮のLRT計画に対し、「LRTを検証し新たな公共交通システムを考える県民の会」というのが発足するとのこと。論点としては、地域の事情とLRTの有効性、それに採算性問題が加わってくることになるのでしょうが、どちらも結論を導くのがとても難しい問題だと思います。