架線レスLRV(その2)

筑豊電気鉄道 2103号

 川崎重工の架線レスLRV「SWIMO」について、前回のエントリーを書いた時点では、川重の公式サイトには情報がなかったのですが、その後プレスリリースが掲載されているので、まとめておきたいと思います。
 超低床電池駆動路面電車(LRV)「SWIMO」の開発について搭載用電池の実用化に目処、走行試験へ 川崎重工 公式サイト
 電池式路面電車 川崎重工が実用化へ 8月にも走行試験 フジサンケイビジネスアイ
 川重、次世代路面電車向けニッケル水素電池の実用化にめど 日刊工業新聞
話は2つあるようです。まず電池ができましたということ。「ギガセル」という名称で、筑豊電気鉄道から譲り受けた2103号に搭載して、8月に走行実験を行い、性能確認を行うそうです。「最高時速40キロメートルで走行する」予定なので、スピード面では路面電車として実用的な性能になってきているようです。
 そして、架線レスLRV「SWIMO」の開発の方は、2007年度内の実験車両の製作を目指すとのこと。実験車両の概要としては、架線と駆動用電池併用の超低床車LRVで、駆動用電池は腰掛下に収納し、非電化区間で10km以上の走行が可能だそうです。
 既存路線を5kmくらい延ばすときに、という使い方はできそうですね。もっとも開業時にそれなりの両数をそろえなきゃいけませんが。今日の画像は、電池の性能試験に使われる筑豊電鉄2103号です。筑鉄に最後まで残った旧西鉄北九州線の生き残りでした。本筋からは外れますが、日刊工業新聞の記事に「走行試験を兵庫工場(神戸市兵庫区)などで8月に実施する。」とあって、この「など」がとても気になります。
 福井鉄道を使って実験をしているグループの記事も続きがありますので、紹介しておきます。
 電池で電車GO! 福井大と2企業、越前市で公開走行 北陸中日新聞
 電池電車の連続走行に成功 福井鉄道福武線で実験 北陸中日新聞
こちらは、従来の小さな路面電車タイプの車両での実験から進んで、鉄道車両の602号を使っていることが記事から読み取れます。西武生から市役所前まで片道19kmを最高時速65km/hで走ったとのこと。記事の画像を見る限り、現状の電池はかなりかさばるようですが、実験としては、成功したようです。
 このほかにも鉄道総研JR東日本が電池で走る電車の開発に取り組んでいます。実際にそういうものが営業用車両として登場するのも、あまり遠くない将来かもしれないという気も少ししてきました。