LRT計画あれこれ

福井鉄道 モハ562号

 変なタイトルですが、思いつかなかったので。LRT計画というのは、日本のあちこちにあります。その実情は千差万別で、そういう見方がいいのかよく分かりませんが、「熟度」はさまざまです。とりあえず、誰かが言い出さないと何も始まらないのですが、それが「市民」であったり、「地元財界」であったり、「行政」であったりします。そして、その提案がどの程度広がるのか、例えば「市民」の範囲にもいろいろあるでしょうし、「市民」の延長線上に、あるいは行政との関係で、「議会」も登場するでしょう。「行政」といっても地元自治体はもちろんですが、補助金を当てにするなら「国」も出てきます。実際に事業として運営するためには、電車の運行のノウハウを持つ既存の「鉄道又は軌道事業者」の協力も不可欠でしょう。そういうアクターの理解を得ながら計画が動きはじめて、徐々に「熟度」が高まっていくということでしょう。富山ライトレールは行政主導で一気に進んだ例ですが、ああいうのは、条件にも恵まれた、非常に稀な例だと思います。「市民」主導でということだと、LRTの新設ではないですが、万葉線の存続運動とか、そういうものに成功事例を見ることができます。
 ということで、まず、金沢にLRTをと言う記事があったので紹介します。
 もう一度、路面電車を 市民ら7系統提案 asahi.com
今日の画像は、現在福井鉄道に所属している旧北陸鉄道の金沢の路面電車です。海外ではいったん廃止になった路面電車LRTとして復活した事例があるのですが、日本ではまだありません。都市の規模や構造という意味で、金沢は路面電車向きの街だと思うのですが、道が狭いので、自動車交通との共存ということになると、かなり難しいと思います。そういうことで、計画を進めるには、ハードルの高い街ではありますが、注目しておきたいと思います。
 ごみ袋有料化の現状など報告 京都市定例議会 京都新聞
議会の記事の中で、LRTについての議論もあって、「毛利信二副市長が「自動車への影響や採算性などの課題を市民や各界と議論する必要がある」と述べた。」と書いてあります。市役所は「交通社会実験を検討する姿勢」も示したとのことです。京都には市民団体もありますが、どちらかというと、行政主導の印象があります。経緯を見ていると、それなりに進んでいるように感じられる一方で、そろそろ、計画が実現に向けて発展するか、計画倒れに終わるのかの正念場に差しかかりつつあるようにも思います。とりあえず、シンポジウムはよくやっていて、またあるようです。
 今出川通の交通まちづくりとLRT 市民シンポジウム開催のご案内 京都市都市計画局交通政策室
街によっていろいろな事情がありますから、あるべき進め方も一様ではないはずです。おそらく、それを見つけることが第一歩なのでしょう。