安全対策

福井鉄道 モハ602号

 新型ATS義務化 県と鉄道事業者、苦慮 my town福井 asahi.com
 この記事の論点は、大きく2点あります。

  • 尼崎脱線事故を受けて、国がATS設置の義務化の方針を打ち出した。福井県内の私鉄、えちぜん鉄道福井鉄道、県などは新たな出費に頭を悩ませている。半径300メートルより急なカーブは県内では計120カ所あり、ATSで速度超過に対応させると1億8000万円の出費となる。
  • 尼崎脱線事故の背景に、ダイヤ確保への運転士の重圧があったと指摘されていることから、福井鉄道えちぜん鉄道の乗り入れに慎重論が出ている。併用軌道のある福井鉄道はダイヤどおりの定時運行確保が難しいため、乗り入れによってえちぜん鉄道のダイヤに影響し安全性の低下が懸念されるからだ。

 事故を教訓として、多面的に対策をとるべきことはいうまでもありません。しかし、福井だけの問題に限りませんが、ただでさえ採算のとれない路線に、やみくもに投資を求めることは現実問題として困難なわけで、結局、費用対効果の問題になるのではないでしょうか。逆に言うと、どうしても「危険」と判断されるところには、無理してでも設置するべきでしょう。そのような観点から、合理的な設置基準が定められ、しかるべき支援措置がとられるよう望みます。
 乗り入れと定時運行の関係については、田原町で5分程度余裕時分をとっておけば、利便性は若干低下するものの、それ自体は問題にならないように思います。もっとも、以前も書いたように思いますが、電車が乗り入れなくても、ダイヤ上の接続改善と乗り継ぎ割引(通しでの運賃計算)の適用で、相当環境は整備されるはずです。乗り入れの実施は知事の公約らしいので、県はなんとしてでも実現したいようですが。
 その他のニュースは、貴志川線関係を2つ、和歌山市長と貴志川町長が南海電鉄に対し、半年間の営業延長を要望したというのと、岡電社長のインタビューで、将来的には貴志川線LRT化を目指すという発言が掲載されています。
 南海貴志川線 半年間の営業延長を要望−−和歌山市長ら/和歌山 毎日新聞
 貴志川線継承の岡山電気軌道、観光や不動産で沿線開発 日本経済新聞
ヘビーレールのライトレール化という面白い展開になってくるかもしれません。将来、水戸岡デザインのMOMOの弟分が走ったりするのでしょうか。
 あと、あまり取り上げたくはないのですが、広島電鉄脱線事故がありました。
 広電、広島駅で脱線 一部区間不通に 中国新聞
いわゆる「股裂き事故」、電車がポイントを通過中にポイントが切り替わってしまう脱線事故なんですが、同じ場所で2、3年前にもありました。これこそ背景に「定時運行確保の重圧」があるんじゃないですか。同じことが繰り返されるということが大いに問題と感じられます。抜本的な対策を検討してください。