旧市ノ坪駅で

名古屋鉄道 旧市ノ坪駅

 もう1週間前のことですが、豊橋に行くついでに岐阜に立ち寄って、旧市ノ坪駅を見てきました。当日は鉄道部品バザーということで、即売とオークションも行われました。工場の建屋内ではたぶん値打ちのあると思われるサボ類が、外のトラバーサ付近ではスタフや駅の時刻表など小物類とグッズが売られていていました。
 会場は多くのマニアで賑わっていて、「品物はたくさんありますから」と「祭」のハッピを着た社員さんが叫んでおり、トラバーサの上に無造作に広げられた看板には「路面電車交通社会実験」のものがあって、あれからまだ2年も経ってないなあと思ったりしました。私は鉄道部品を蒐集する趣味はないので、結局何も買いませんでした。
 ではなぜ行ったかというと、車庫で休んでいる電車たちを見ておきたかったからです。豊橋、福井へ譲渡される電車は西側に、それ以外の電車は東側に留置されていました。3月31日の昼ごろもここへ来ましたが、その時とは違って、揖斐線も含め多くの電車が集められ、静かに休んでいる光景は、やはり終わったんだということを実感させられました。この電車たちも新しい職場へと旅立ったり、保存用で引き取られたり、あるいは引き取り手なく解体されたりして、あと2年もすれば、ここからも電車の姿はなくなってしまうのだろう。そんなことを思いながら会場を後にしました。