さようなら「アルナ工機」

広島電鉄 3951号

 JRの尼崎駅と立花駅の間にアルナ工機の尼崎工場がありました。通勤で新快速に乗っていると、窓から工場の試験線に止まっている出荷直前の電車たちが見えたものです。
 3年くらい前、アルナ工機鉄道車両製造事業からの撤退を決めたものの、ユーザーからの要望で、「アルナ車両」として現在は阪急電車正雀工場内で路面電車の製造だけを続けています。
 現在は尼崎の工場は閉鎖されているようです。そして、先週の初めから、試験線の上屋の解体工事が始まり、数日でほぼ跡形もなくなってしまいました。
 アルナ工機は親会社である阪急の電車なども造っていましたが、なんといっても日本国内の路面電車の製造元として大きなシェアを持っていて、通勤の電車の窓から、試験線に出てくる各地の路面電車を見るのが楽しみだったものです。グリーンムーバーを初めて見たのも、各地のリトルダンサーを初めて見たのも、みんな新快速の車窓からでした。
 今の正雀の試験線もJRの線路に接していますが、私の通勤ルートではないし、そもそも壁があって車窓から電車をみることは、ほぼ不可能になっています。
 アルナ工機路面電車の最大の大口ユーザーは広島電鉄で、アルナ−広電の共同作業が日本の路面電車をリードしてきた時代があったといっても、大げさではないと思います。画像はアルナ工機製の広電3950形、超低床車登場前夜の非常に完成度が高い電車です。
 今度、広島電鉄に入る新車は、三菱重工近畿車輛が製造した電車なんですね。