阪堺電車のお正月 2016

阪堺電気軌道 モ709号
 寒さも和らぎ、穏やかな新年を迎えました。あけましておめでとうございます。恒例によりまして阪堺電車の正月輸送を見てきました。
 上町線住吉〜住吉公園は最後のお正月ということで、そして天気がいいことも関係しているのかマニア諸氏がとても多いです。以前は、といってもいつだろう10年くらい前かな、見かけるといってもちらほらという感じでしたが、住吉の待合小屋の前なんかずらっと並んでる。これもまたお正月休みの過ごし方と認めてくれる寛容さが世間にあってほしいと思います。
阪堺電気軌道 モ703号
 さて、多いのはマニアばかりではありません。お詣りの人も多くて、南海電車の駅から降りてくる人々を正面参道を止めて北参道へ誘導しているのを久しぶりに見ました。これも天気がいいことと無関係ではないでしょう。阪堺電車のお客さんも多いはずですが、それなりに捌けている印象です。とくに住吉から恵美須町方面は増発になっているものの、以前のお正月よりは減便になっているのですが、さほどお客さんが滞留する場面は見受けませんでした。
阪堺電気軌道 モ603号
 さて、最後のお正月を迎えたであろう区間です。向かって右側の電車が止まっている住吉の降車ホームは、お正月しか使わないので、最後のお勤めになるのでしょう。路面電車うしのダイヤモンドクロスも、これは今や非常に珍しいものですが、いずれ撤去されるような含みの公式発表になっているので、最後のお正月なのかもしれません。乗降を1か所に集約してもホームを長くとれば問題ない気もしますが、お客さんが1列に並んでいるところに2両電車が横付けになると混乱するかもしれません。
阪堺電気軌道 モ707号
 これは踏切から住吉公園駅を見たところです。この両渡りのポイントは、カーブに設置されていて、改めて見ると複雑な曲線を描いています。このような特殊な分岐器の更新費用が、報道によると億単位だそうですが、この区間の廃止理由ということで、一方で公的補助を受けながら、ここに多額の投資をすることが許されることではないであろうことは、マニア的な心情を別にすれは、十分理解できます。でも残念だな。
阪堺電気軌道 1002号
 今日は堺トラムが3編成とも住吉公園へ入りました。お名残運行でそういうスジに入れたものと思われますが、堺トラムは基本浜寺系統なので、あまり住吉公園へ来たことはないはずです。これにもマニアの注目が集まっていました。
 堺トラムもすっかり街に馴染んだように見えます。3編成を色違いにしたことで、それぞれが個性を主張しているように感じられ、よかったなと思いました。
 他方、モ161形は、堺トラムの登場と減便の影響により昨年のお正月から運用数を減らし、今日見かけたのはモ164号とモ166号の2両だけでした。ずいぶん様変わりしたなあと思います。
 モ161形にはヘッドマークが付いています。モ164号は防犯啓発の広告車なので、その関連かと思ったのですが、モ166号にも付いていて、よく見るとモ164号のは「ありがとう住吉公園駅」、モ166号は「永年のご利用ありがとうございました」と書いてあるそれぞれ別のデザインの「住吉公園駅惜別ヘッドマーク」でした。
阪堺電気軌道 モ161形
 来年は新しい形態でのお正月輸送となることでしょう。来年も来れますようにとお詣りをして、帰路につきました。