路面電車と自転車と

富山地方鉄道 デ9002号

 街ぐるみで自転車を共有、脱マイカーへ2都市が事業化 朝日新聞
 富山の自転車共有の試みについて、記事が出ていましたので紹介しておきます。これは4月に始まった事業で、白いセントラムにも車体広告が出ています。要するに、街頭に自転車のスタンドを設け、会員登録した人がそれを利用でき、元の場所に返さなくてもよいというものです。フランスの会社が運営を受託していて、海外では実績があるようです。
 確かに自転車があると便利でしょう。地方のローカル線では、自転車ごと乗車することができるようにしているところもありますが、車体の小さい路面電車では、そういうわけにもいかないし、街のある種のインフラとしてこういう自転車が設置されることは、組み合わせて公共交通機関の利便性を、高めることにもなります。
 見出しにも「脱マイカー」という言葉があって、もちろん方向性としてはそういうことなんですが、お年寄りなど足やひざの悪い人がこのようなものを利用するのは難しいですから、あくまで選択肢の一つとして用意されるものだと思います。そういう意味で、富山が自動車の流入制限等の強制的な措置をとらないことは、迂遠なようではあるけれども、おそらく正しいやり方だと思います。そして、徐々にでも、ライフスタイルの変化が起こるのであれば、こういうものも定着するでしょう。
 もっとも、初期投資の1億円以上は、国の補助だそうで、だから運営会社には、最低何年間は事業をやることという縛りを決めているはずですが、その徐々に起こるであろうと期待される変化が、運営会社のビジネスモデルを成り立たせるのかということ、現実的には、これが事業の成否を左右することになろうかと思います。