小寄公園の神戸市電

神戸市電 1155号

 神戸市電1155号が保存されている神戸市東灘区の本山交通公園は、いつの間にか小寄公園という名前になっていました。小寄公園のリニューアル工事が終わり、再オープンしたとのことで、出かけたついでに行ってきました。
 公園に保存車両がある場合、このような改築工事を契機に解体処分されてしまうようなこともありますが、1155号は無事、新しい公園の一角に柵で周りを囲ってもらって、場所を与えられていました。この神戸市電の車両に関しては、一時朽廃が進み解体の危機にありましたが、2005年春に再塗装、再整備された経緯があります。今回の公園整備に当たっては、約2/3が災害時の避難場所を兼ねたグラント、1/3が交通公園の名残りを残す自転車用のコースになっていて、1155号は以前より南側に場所を移動していました。場所を移動させると言っても、電車はクレーンで吊らないと動かせないので、そう簡単なことではありません。再整備計画の中で、市電を存置することを決めていただいた関係者の方に感謝します。
 再整備から4年、以前から屋根がないので、かなり褪色が進んでいますが、状態はそれほど悪くない感じです。日曜日の昼下がり、公園には近所のファミリーが集っていました。こうして、たくさん人の集まるところで保存されるのは、電車にとって幸せなことです。できれば屋根があるともっといいんですが。
 神戸市電の車両は、広島電鉄に2両、名谷の地下鉄の車庫に2両、御崎公園に1両、そしてここに1両と、現存するものは文字どおり数えるほどになっています。この1155号も大切に後世に伝えていきたいものです。