札幌のSWIMO(スイモ)

川崎重工業 SWIMO-X

 札幌3日目、最終日です。今日はもう一両の架線・バッテリーハイブリッドLRVであるSWIMO(スイモ)の試運転が全線で行われていました。バッテリートラムとして話題になっていますが、超低床路面電車としてみても、大きさの違う車輪の組み合わせて低床部分を確保するなど、様々な工夫がされている、興味深い車両です。
 今日は、パンタグラフを降ろしてバッテリーで走行している場面も多く見られました。Hi-tramのように前面が傾斜していないので、全体的に箱型で四角い印象がありますが、運転台のガラスは緩やかにカーブしています。通常の電車であれば床下に設置する機器を屋根上に載せていて、それを化粧板で覆っているのも、四角い印象を強めているようです。顔つきは同じメーカーが製造した札幌市電の8500形の流れを引いているようにも見えます。 
川崎重工業 SWIMO-X
 全線で行われていた試運転では、終点で営業車を1両先に行かせているようでした。札幌市電のお客さんたちにとっては、すでにおなじみの顔のようで、覗き込む人などいませんが、車内には測定器やディスプレイが設置されていました。試験用の車両といいながら、車内の内装は、営業用で使用可能な状態に作られています。
 SWIMOは商品化されることが決まっているそうです。新聞では「ハイブリッド」から自動車で言えばプリウスのような連想で紹介されることも多いですが、電車だと回生ブレーキで生じた電気を架線に戻す方法があるので、自動車での「ハイブリッド」とはちょっと意味が違います。架線レス区間での運行ということも当然念頭にあるわけですが、バッテリーの持続時間やコスト、冷房使用時の電源など、実際に営業するに当たっては、気になる点がいくつかあります。しかし、川重が商品化するわけだから、どこかでお客さんを乗せて走るでしょう。日本国内じゃないかもしれませんが。
 動画は、車庫内でのものが3月9日、本線上のものが3月10日の撮影です。中間車の上に載っている黄色くペイントがされているのが、パンタグラフなので、上がっているか下がっているかにご注目ください。