富山の路面電車環状線化計画の近況

富山市 大手モール

 富山の路面電車環状線化計画の近況を伝える記事を2つ拾っておきたいと思います。
 富山市路面電車、上下分離を認定 運輸審、環状線化で全国初 北日本新聞
上下分離方式」の導入に必要な「軌道運送高度化実施計画」を国の運輸審議会が認定し、国土交通省は2月中に実施計画の認可をする予定とのこと。認可を受ければ施工認可を申請し、軌道工事に着手する段取りになっているようです。
 昨年10月に施行された地域公共交通活性化再生法によって、軌道法による「上下分離方式」が一定の手続きを経て認められるようになったわけですが、それに乗っかって着々と手際よくスケジュールをこなしていく様は見事というほかありません。「上下分離方式」はこれから鉄軌道を新設する場合に、公的支援と事業者の効率的経営を両立させるための重要な手法となっていくものと見込まれます。富山の路面電車の延伸がモデルケースとして持つ意味は大きいと思います。
 車両、電停に総合デザイン 富山市が路面電車環状線化に向け 富山新聞
 富山ライトレールが採り入れた「トータルデザイン」の考え方は、高く評価されました。富山地鉄路面電車環状線化に当たっても、同様の考え方を取り入れることを決め、今年度中に検討委員会が発足することになったそうです。
 路面電車は公共交通機関ですから、具現化されるべき価値観は、安全性、快適性、バリアフリーなどいろいろあると思います。その中のひとつに、極めて今日的な価値観として、これは他の交通機関とはちょっと違う点かもしれませんが、「街との調和」ということがあると思います。それをはじめて目に見える形にしてくれたのが富山ライトレールではなかったでしょうか。今回は既存の路面電車の延伸であること、走る地域も成熟した市街地であることから、富山ライトレールとは違った点にも配慮が必要なのかもしれません。今日の画像は、延伸される路面電車が通る大手モールです。すでに広い歩道があって、これはこれで完結した街の姿ですが、ここにどのような電車が走ることになるのか、おおいに期待したいと思います。