堺のLRT 臨海部へ(その2)

阪堺電気軌道 モ161号

 堺のLRTの臨海部への延伸を前倒しするという話が、久しぶりに記事になっていました。堺市長が記者会見で触れたようです。
 堺東駅前再開発とLRT延伸 堺の整備、大きく前進 産経新聞
 新型路面電車、延伸計画前倒し作成──堺、液晶新工場に対応 日本経済新聞
 堺市:LRT早期開業へ、鉄軌道推進室を設置 南海堺東駅から堺浜まで一体化 毎日新聞
この話、前に話題になったのはいつだったかなと調べてみると、去年の6月でした。
 堺のLRT 臨海部へなど - 猫電車日記
もともと堺のLRTは「東西軸」という計画で、臨海部から南海本線堺駅、南海高野線堺東駅を経てJR阪和線堺駅までの約8kmが全体計画であり、そのうちの南海本線堺駅と南海高野線堺東駅の間が「早期開業区間」として2010年度開業目標とされていました。その後臨海部にシャープの工場進出が決まり、南海本線堺駅から臨海部の間の延伸も早期に事業化という話が出てきたというのがこれまでの流れでした。
 今回の記事を読んでみると、延伸区間の計画を今年度内にまとめ、「早期開業区間」と同時着工を目指すというようなことで、延伸区間の開業時期は未定ながら、手順としては時期が明らかにされたことで、事業化に向けて大きく進んだと評価できるでしょう。
 陸上競技で1.7km走れと言われて、500mくらい走ったところで、ゴールは6kmくらい先に変更だと言われても困ってしまうわけで、計画としては延伸区間も具体化されていくにしても、「早期開業区間」の準備は既定のスケジュールどおりに進めていく必要があると思います。臨海部に伸ばすということで、LRTを造る意義が、より強化されていくことになるので、それ自体はいいことですが、そっちに引っ張られて、「早期開業区間」の開業が遅れることにならないようにお願いしたいものです。
 莫大な誘致費用を使ってきてもらう工場のために、LRTも整備してあげる、工場立地の威力はすごいんだなあと単純に思いますが、街の活性化につながるのであれば、補助金の多寡は別にして、結果としては悪いことではないでしょう。本筋とか関係ないんですけど、毎日の記事に「鉄軌道推進室」を新設したと書いてあるんですが、これって前からあるんじゃないですか。