「桃の実」被爆電車公演

広島電鉄 651号

 今日はモケレンペンペ・プロジェクトが、広島電鉄被爆電車内で上演した「桃の実」公演を見せていただきました。何度か書いていますが、このお芝居の原作は、太平洋戦争中に広島電鉄で運転士や車掌を勤めた「広島電鉄家政女学校」の生徒さんのドキュメンタリーで、昨年都電の車内で上演されたものです。見てみたいなあと思っていたところへ、今年は都電での再演の他に、長崎、広島での公演があり、広島では被爆電車での上演というので、この機会を逃す手はなかろうと出向いてきました。今日、その車内が舞台となった電車は651号、1945年8月6日朝に市役所前〜中電前を走行中、爆風で脱線し、一瞬にして全焼した、その電車です。車内には、家政女学校のドキュメンタリー番組で拝見したことのある、同校のOGのみなさんの顔も見られました。
 お芝居は60年あまりの時間の隔たりを揺れ動き、交錯しながら進められました。その混乱した時間軸は、「あの日」に大きく傾いて、やがて現在に収斂し、千田車庫に到着して解き放たれました。
 終演後、千田車庫の裏手のポプラでおにぎりを買って、隣の公園にのベンチに腰掛けて、限りなく青い晴れた空を見ていました。あの日から60年あまりで科学技術は進歩しただろう。でも人類は進歩したのだろうか。そんな普段考えることのないことを、少し考えていました。
広島電鉄 3901号
 今日、広島は花火の日でした。広島みなと夢花火大会、せっかく来ているので見に行ってきました。広島電鉄も特別輸送体制で、荒手車庫からグリーンムーバーや3900形が応援に来て、例年どおり海岸通行の臨時便も出ていました。
 いちおう花火と電車ということで撮ってみましたが、なかなか都合のいいタイミングで、見栄えのする花火が上がらなくて、中途半端なものしか撮れませんでした。
 今日は、いつもの日常の土曜日とはまったく違う、いろいろな体験をした一日だった気がします。
 「桃の実」の上演の模様、車内の写真の入った記事が出ているので、紹介しておきます。
 被爆女学生の奮闘描く 路面電車で劇上演 中国新聞