昭和鉄道のある風景 特典映像

万葉線 デ5022号

 この3連休は趣味的に出かける予定はありません。連休を目掛けたようにやってきた台風による天候不順もあって、今日は暇だけど家にいて、前に買って見ていなかったDVDを見ました。『NHKアーカイブス 昭和 鉄道のある風景』です。内容は「新日本紀行」という番組2回分のおそらく一部と特典映像で、矢立峠のSL三重連木曽森林鉄道が本編になっています。SLもナローもマニアックな知識は持ち合わせていませんが、天下のNHKが労力をかけてつくったドキュメンタリーだけあって、分量的には多くないものの、そのへんの鉄道ビデオとは比較にならないクオリティを感じました。
 

昭和鉄道のある風景―NHKアーカイブス (NHK出版DVD+BOOK)

昭和鉄道のある風景―NHKアーカイブス (NHK出版DVD+BOOK)

 今日書くのは、その本編についてではなくて、特典画像である「思い出の路面電車」についてです。昭和51年に放送された「新日本紀行」の番組から、路面電車の走行シーンだけを抜粋したものとのことです。先に言っておくと、時間にして合計10分程度、しかも断片なので、これだけのためにDVDを購入するというほどのものではありません。映像の内容は、おおよそこんな感じです。登場順です。

 どこか分からない(美濃方面か?)モ600形と津保川橋梁を渡るモ590形の走行シーン

 実車での運転士免許の試験の様子、止まった電停で停止位置の誤差をメジャーで測定するところなど

 162号の走行シーンと車内風景、渋滞の車の横をすり抜けていく153号など

 超望遠で捉えた5020号の走行シーン、行商のおばちゃんの会話が賑やかな車内シーンなど

 2609号の走行シーン、八坂神社の前を行き交う市電、車内・電停風景など

 さようなら運行の様子、車庫風景など
 番組は「チンチン電車のうた」というタイトルだったようです。出てくるものを分類してみると、放送の時点で廃止になっていたのは仙台市電、放送後ほどなく廃止になるのが京都市電と射水線、平成になって廃止された美濃町線、現存する札幌市電長崎電気軌道となります。どんな番組だったかはよく分かりません。渋滞する自動車の横をスイスイ走る長崎と自動車が容赦なく軌道に入ってくる仙台が対比されているようで、番組が製作された昭和51年というと、路面電車の見直しの機運はかなり高まっていた時期でもあり、そういうコンテクストで構成されていたのかもと推測できるくらいです。結局、番組として伝えたかったことがよく分からないので、30年前の路面電車風景は貴重ではあるけれども、特典映像の域を出るものではありません。
 10年くらい前でしょうか、朝日放送が保存している関西の路面電車の映像をVHSビデオにして出したことがあります。NHKには膨大な路面電車の画像が眠っているはずで、そういうものを何らかの形で、広く見られるようにすることはできないのかなあと思いました。今日の画像は、このDVDに出てくる射水線の電車と同形式で唯一現存する万葉線のデ5022号です。イベントのときに撮りました。