豊橋鉄道 モ3702号 ラストラン

豊橋鉄道 3702号
 先週の土曜日からはじまった豊橋鉄道のレトロ電車モ3702号の引退記念イベントも最終日、本当のラストランとなりました。今日も18きっぷで豊橋へ行ってきました。早朝家を出るときは雨、米原、大垣あたりでは雨は上がっていましたが、豊橋では、今にも降りそうなベタ曇りで、モ3702号が最後の1往復をはじめるころには、少しばかりまとまった雨となりました。今日は駅前電停でラストラン発車式と豊橋市への贈呈式が行われ、駅前電停は、先週の土曜日よりもずっとたくさんの人が集まっていました。リベットの浮き出たモ3702号の重厚な車体は、雨に濡れて、その質感をいっそう増しているように見えました。画像は新川電停、モ3702号は通いなれた街に別れを惜しむかのように、ゆっくりと進んできて、そして新川の交差点を左へ折れました。交差点を曲がりながら、かつて豊橋鉄道の市電の初のワンマンカーとして走った、今はなき柳生橋支線のことを思い出していたでしょうか。
豊橋鉄道 3702号
 モ3702号は無事に最後の勤めを終え、午後からは、赤岩口車庫での撮影会となりました。雨はやみ、曇り空ですが、これくらいのほうが、光線の具合はいいかもしれません。車庫には現役車両が各形式1両づつ並べられ、以前の撮影会と同じように、ロープの外側からの撮影と、車両に近寄っての自由な撮影が交互に行われるパターンで、車内も公開されていました。モ3702号はモ3102号と、名古屋市電どおしの最後の並びを披露しました。この3700形は、昭和38年に名古屋市電から譲渡を受けたそうですが、豊橋に来た時点で車齢が30年を超えていて、10年そこそこで2両が廃車になり、ワンマン化された残る2両のうち1両も1976年の柳生橋支線の廃線とほぼ同時期に廃車になります。ただ1両、このモ3702号だけが、21世紀まで走り続け、最後の約10年はレトロ電車として、豊橋の市電のシンボルとなりました。強運の電車だったといえるかもしれません。前上がりの撮影会は盛況でした。このような機会を設けていただいた、豊橋鉄道のみなさんに感謝します。
 そして、彼には第三の人生が用意されています。豊橋市が平成20年7月に開設する「こども未来館ここにこ」の「まち体験エリア」で屋内展示されることが決まっています。
 http://www.city.toyohashi.aichi.jp/bu_kikaku/toshinkassei/kodomo-taiken01.html
モ3702号は、豊橋の街を走ることは、もうありません。でも、彼の走った街と時代を、次の世代に伝えていく、大切な役割を担っていきます。ぜひ、また会いにいってやりたいと思います。