広島電鉄 信用乗車制度導入へ

広島電鉄 769号

 一昨日のコメント欄にも書いていただいているとおり、広島電鉄で、ICカードが本格導入される2011年度にも、「信用乗車制度」を導入するという記事が中国新聞に出ています。
 ICカードで広電車掌廃止へ 中国新聞
おさらいをしておくと、来年1月には広電など広島圏の16社局でICカードの導入がはじまります。広電電車では、白島線から導入し、その際、ICカード使用のお客さんに限り、どの出入口からでも乗り降りできる試みをすることが、すでに発表されていました。今回は、さらに進んだ内容で、車掌を廃止し、ということは連接車でも本格的に導入するというものです。
 信用乗車については、過去富山ライトレールの関係で書いたことがあります。
 富山ライトレールと信用乗車 - 猫電車日記
読み返してみると、必要性がないならやらなくてもよいというようなことを書いています。それは今もそう思っていて、今回の広電の計画の背景にはICカード導入から信用乗車へという流れがありますが、この流れ自体は必然ではないと考えます。しかし、広電は車両が長い連接車が多く、かつ、お客さんも多いので、信用乗車にすると、乗降時間の短縮というメリットが大きいことは言え、つまり動機としての必要性は認められると思います。
 中国新聞の記事に使われている説明図を見ると、ICカード利用のお客さんは乗り降りの際にカードをリーダーにタッチすることによって運賃の支払いを行い、現金のお客さんはあらかじめきっぷを購入して、お客さんはどの扉からでも自由に乗り降りし、それを運転士さんがカメラで監視することによって、不正を防止するというのが基本的なしくみのようです。グリーンムーバーなど扉が4つあるので、それを運転士さんがひとりで監視することができるのか、あるいは降りるときにリーダーにタッチしていなくてもきっぷを持っていればいいわけで、カメラで見るだけで不正が防止できるのか、さらにすべての電停にきっぷの券売機を設置できるのか、時間の都合できっぷを買えなかったお客さんはどうなるのかなど、この記事の絵を見る範囲だけでも、システム自体への疑問は多々あるのですが、国の役所でも信用乗車制度の研究はしているようなので、導入までにシステムとして練られていくことを期待したいところです。富山ライトレールはごく部分的な話ですが、今回の広島電鉄路面電車の運賃収受方法を根本から変えようということなので、違反者に対する刑事罰の適用可能性も含め、法律的・制度的な手当ても必要になるでしょう。ICカードの普及率が高まるかもポイントのひとつになります。これからの動きには注目しておきたいと思います。
 もうひとつ、こちらは紹介だけですが、JR伊丹駅から大阪空港へのアクセスとして、LRTを検討という記事がありました。
 伊丹→大阪空港アクセス向上へ 新型の路面電車を計画 神戸新聞