万葉線 ネコ電車のこと

万葉線 デ7072号

 ふと考えてみると、一度も書いたことがないので、万葉線のネコ電車について書いてみます。この電車デ7072号の正式名称は「アニマル電車」で、側面には十二支の動物が楽器を持っている絵が描かれていて、前と後にネコの絵が描かれています。前後のネコの絵が目立つので、通称「ネコ電車」と呼ばれています。高岡駅前側のネクタイをしているネコがオス、越ノ潟側の耳にリボンをしているネコがメスだそうです。かわいい図柄で、子どもたちに人気の電車です。
 このネコ電車の図案は、存亡の危機にあった万葉線を市民レベルで支えようと、その前年に設立された「万葉線を愛する会」が1994年に公募した電車のデザインの最優秀作品となったもので、平米小学校という、万葉線の電停でいうと本丸会館前の近くの小学校の6年生の生徒さんの作品です。存続運動のシンボルであったわけです。
 今の橘高岡市長は官僚経験のある財界人として万葉線の存続運動にもかかわり、万葉線株式会社設立後は社長に担がれて、そのあと市長に推された方で、万葉線には格別の思いを持たれているようです。ちょっと長いのですが、ネコ電車についての市議会での答弁を引用しておきます。質問は、「子供に一番人気のあるネコ電車がなくなるではないかと子供たちが危惧しているが、どのように考えておられるのか」です。

ネコ電車について若干私も御説明させていただきますと、これは昨年誕生10周年を迎えたわけですが、もともとは沿線の小学生のアイデアでありまして、よく見ていただきますと、ネコ電車の横の方には十二支、それこそねずみからいのししまでがかいてありまして、そこの仲間に入らないネコが前と後ろにあると。それでネコ電車と言われる大変かわいらしい絵がかいてありまして、これについても本当にそのときの小学生の方、今はもう二十を越えておられるわけですが、そういった思いも込められていると。そしてまた、万葉線を愛するという気持ちがいっぱい詰まった大事な電車でありまして、園児などによる誕生会が行われるなど多くのファンがいるというふうに承知をしておりますし、万葉線のスタッフからもよくその話は私ども聞かされております。
(中略)
そこで、ネコ電車、この車両自体は旧型車両においてもかなり古い方に属する部類の車両でありますが、では今後どうするのかということですけれども、一つ考えとしては、既存車両、まだ旧型車両ございますので、仮にこの車両が廃車になるときには、既存車両をまた同じさまで塗りかえるといったことも含めて、できるだけこのネコ電車のアイデアを大事にして活用していきたいというふうに考えておりますので、どうかまたお力添えのほどよろしくお願いをいたします。

 デザインとしてかわいいし、よくできているということだけではなくて、「万葉線を愛するという気持ちがいっぱい詰まった大事な電車」です。いつまでも走ってほしいものです。