被爆電車 2006年夏(その3)

Cat-Tram2006-08-10

 日常に紛れているからか、広島へ行ったのがずいぶん前のことのような気がします。現像したモノクロフィルムを眺めていると、色のない世界がさらにその感覚を助長するようです。いつもは歩いたルートどおりに何枚か絵日記風に書いていますが、今回はまず被爆電車652号の画像を1枚、元宇品口のものです。
 広島電鉄の電車の被爆位置については資料が残っていて、保育社から出版され後に復刊された『広島電鉄(私鉄の車両3)』のような公刊物にも、被爆位置と復旧状況のデータが残っています。もちろん、当該電車の車内にも掲示されていますが、それらによると、652号の被爆位置は宇品で、小破だったため8月中に復旧し、走り始めたそうです。当時の宇品電停の位置は、今の元宇品口あたりだったと言われています。画像の場所かどうか、正確にはわかりませんが、このあたりになるはずです。このあたりは、広島南道路の建設で、風景も大きく変わりつつあって、60年前を思わせるものは、もう何もないようです。立退きになった空地には、大きな杭打ち機が立てられていました。
 今年の被爆電車関係の報道をまとめておきます。
 小学生ら80人「被爆電車」で体験聞く…広島 読売新聞
 社説 伝えたいものがある 原爆忌に考える 中日新聞
 広島原爆の日 悲劇「語り継ぐ」 米子で朗読 日本海新聞
 広島原爆の日:次々引退する「被爆電車」平和の尊さ伝える 毎日新聞