鉄道画報 No.6

都電 8502号

 毎月20日を過ぎると、鉄道雑誌のパトロールのために書店に立ち寄ります。今日は『鉄道画報』と『鉄道浪漫』を買ってきました。そこで今日は『鉄道画報』について。老舗が軒を連ねる鉄道雑誌業界で、この『鉄道画報』は新しい雑誌です。季刊で2年目、マニア向けなんだけど、いたずらに流行を追わずというのか、新旧様々なテーマを決め、ベテランの執筆者がじっくり腰をすえて取り組んだ記事が並んでいます。
 

鉄道画報 No.6 (Seibundo mook)

鉄道画報 No.6 (Seibundo mook)

 
 誠文堂新光社という社名も懐かしい。かつて『初歩のラジオ』とか『天文ガイド』の読者でした。そして、鉄道ファンにとって、忘れてはならないのが電車のガイドブックのシリーズ、『路面電車ガイドブック』は今なおバイブルであります。ついでに言うと、余計な講釈は付けてもらわなくていいので、あれとまったく同じ構成で『路面電車ガイドブック』の21世紀版を出して欲しいと常々思っています。
 話を戻して、『鉄道画報』No.6のメインの特集は、「がんばれ日本の路面電車!ライトレール最新事情」です。速報性に欠ける分、一歩踏み込んだ富山ライトレールの紹介記事、車両の特色をうまく抽出して比較した日本のLRV全ガイドなど、メインの特集にふさわしい充実した内容になっています。
 マニアックな話でいうと、私が興味深く読んだのは、広電のベテラン運転士でもある西広島の助役さんのインタビュー記事です。電車の形式による扱い方の違いやクセの話など、およそ一般向けではありませんが、広電ファンの方ならとても面白く読めるはずです。お客さんの乗車状況に応じてノッチの詰め方を変えるとか、職人技が生きている世界には、ちょっと憧れてしまいます。
 あと、「スタイリッシュな日本の路面電車」という記事もあって、これは「車体デザインのセンスのよい」と著者が思う電車を選んだもので、名鉄モ510形から広電グリーンムーバーmaxまで、13形式が選ばれています。私には横浜市電1600形はちょっとよく分かりませんが、「筆者の独断と偏見」といいながら、だいたい納得いく電車が選ばれています。今日の画像は都電8500形で、この電車も「スタイリッシュな」電車として選ばれています。
 ということで、路面電車の記事は1/3くらいですが、路面電車ファンにはとても興味深い一冊だと思います。