都電が衝突

都電 荒川車庫

 今日は都電で電車が衝突し、乗客25人が負傷するという事故がありました。最初に負傷されたみなさんの一日も早い回復をお祈りいたします。
 都電荒川線で電車同士が衝突、25人けが 東京・北区 asahi.com
 「ドシーン」衝撃、車内から悲鳴 都電追突事故 asahi.com
 都電事故:追突の電車運転士、試運転知らされず 毎日新聞
 路面電車の事故というのは、帰責性は別にしても、車との衝突や後続車両の追突など、繰り返し起こっていて残念ながら根絶されません。しかし、20人以上の乗客が負傷するという事故は、少なくともここ10年ほどは記憶にない、大きな事故といえると思います。現場は梶原電停の近く、明治通りを越えたところで、先行の試運転中の電車がブレーキテストのため、急停車したところに後続の営業車両が突っ込んだということのようです。先日土曜日もJR王子駅から荒川車庫へ行ったので、この場所も通っていますが、明治通りを横切るときにいったん停止しているはずで、しかも見通しもよく、このような事故が起こることが、ちょっと不可解な気がします。上の毎日の記事に衝突した電車の画像がありますが、「急ブレーキ注意」の貼紙はかなり大きく、衝突した2両がどういう間隔で走っていたのかは今のところ明らかではないものの、一定近づいたところで、前方の車両が試運転中であるということ、あるいは先行車両が減速したということが認識されないとは思えないからです。
 そういうことで、今回の事故の直接の原因かははともかく、すでにいろいろなことが言われています。試運転の実施は、検車部門から営業所に通告はあるけれども、後続の運転士に伝えられないそうです。何のために通告しているかを考えると、非常に奇異に聞こえます。また、100m以内に先行電車が接近したときは、15km/h以下で走るという内規が守られていなかったという指摘もあって、これはどこかのベストセラーに書いてある「守られなくて当たり前のルール」に近い決め事ではありますが、現に事故が発生している以上、無視するわけにはいかない。現実的で実効性のある「守れるルール」を決める必要があるでしょう。
 事故原因の究明はきちんと進めていただくとして、考えられる対策はすぐに実行して、何らかのエラーがあっても、それをカバーして大きな事故につなげない仕組みを作ってほしいと思います。「安全・安心」ははやり言葉のように言われますが、口で言うほど簡単なことではないのです。