ちょっと前の590形

名古屋鉄道 モ592号

 元名古屋鉄道モ590形の土佐電気鉄道デビューを記念して、ちょっと前の590形について書いてみます。前からやろうと思っていたのですが、昔のフィルムを探してスキャンするまでの余裕は、普段の日はなかなかないので、今日になってしまいました。
 画像はモ592号で、場所は新関と小屋名の間、関市の市民会館の近く、撮影は平成10年12月です。この場所を含む新関と美濃の間は、早くから名鉄が廃止の意向を示していて、このころには、昼間は新岐阜からの直通電車はなく、1時間に1本だけ、モ590形が往復しているだけになっていて、翌平成11年の春には廃止されます。モ590形に関していえば、以前も書いたとおり、この区間の廃止後、冷房化され、徹明町から野一色・日野橋間を中心に運行されるようになります。
 1時間に1本しか来ないと、写真を撮りに行っても、ずいぶんヒマだった記憶があります。この区間だけに限りませんが、道端軌道をはじめとするとおい昔の鉄道の面影を残した路線は、ほかではあまり見られないものでした。それもこれも思い出の中に閉じ込められてしまいました。廃止後にこのあたりへ行ったことはありませんが、廃線敷の一部は遊歩道に整備されているそうです。旧美濃駅はそのまま保存され、モ510形、モ600形が展示されているといいます。そしてモ590形3両のうち、高知へ行かなかったモ593号も、美濃の保存車両の仲間入りをすると聞きます。
 土佐電鉄も中心部を離れると道端軌道っぽい場所もあって、そういうところを走ると、590形も美濃のあたりを思い出すのでしょうか。