古豪と行く小さな旅

阪堺電気軌道 モ168号 モ172号
 今日は昼からは暇だったので、モ161形でも走っているだろうと思って、阪堺電車へ行ってきました。モ161形というのは、あらためて紹介するまでもなく、昭和初期に製造された古豪で、夏場は走っていませんが、クーラーがいらない季節になると走り始め、休日の昼間でも見られるようになって、お正月には住吉大社の初詣輸送に大活躍します。
 まず、天王寺駅前からちょうどやってきたオレンジの雲電車に乗車します。すれ違う電車に注意しつつあびこ道までやってきましたが、モ161形とはすれ違わず。1両くらい出ているはずだけどなあと思って、あびこ道で待っていると、次の浜寺公園行でモ168号がやってきます。これに乗車して、塗装塗替中の大和川橋梁を渡って堺市内へ。ギーギーガーガーとロングボディを左右に揺らしながら、ベテランの電車はセンターリザーベーションを進みます。阪堺堺市内の路線廃止の意向を表明していますが、お客さんは決して少ないわけではなく、堺市内の電停から乗車してくる人もいました。浜寺公園に着いて、このまま折り返したほうがいいか迷っていると、降車場にモ172号が到着したので、それに乗ることにして、再び大阪市内へ向かいます。あびこ道まで来ると、出発待機場所にモ170号が止まっていたので、さらに乗り換えて天王寺駅前まで戻りました。
 ということで、運よく3両のモ161形に乗って、小さな旅をしてきました。
阪堺電気軌道 モ161形銘板
 そこで、今日乗ったモ161形の銘板を紹介します。いちばん上がモ170号のもので、「昭和5年大阪鉄工所」、大阪鉄工所というのは、現在の日立造船の前身の会社です。まんなかが、モ172号のもので、「昭和5年田中車輛」、田中車輛は現在、近畿車輛になっている会社です。そしていちばん下はモ168号の銘板、「昭和3年川崎車輌曾社」は現在の川崎重工です。今時の新しい電車は経済設計になっているから、70年以上も走れないでしょう。でも彼らはまだまだ走ると思いますよ。かくしゃくとしてますから。
 今日のニュースは札幌市電のささら電車の初出動の話題です。
 ササラ電車が初出動――札幌に本格的な冬の到来 日本経済新聞
昨年より12日遅い初出動だそうですが、年間7000キロ走るとか。函館のささら電車の走行距離は昨年67キロと先日の記事に書いてありました。札幌と函館では除雪作業の方法もずいぶん違っているようです。