京都のLRT

京阪京津線 86号

 今日の画像は、京阪京津線京都市内の併用軌道区間があったころ、蹴上の電停、都ホテルの前の様子です。廃止間際だったので、異常にお客さんが乗っています。廃止といってもここは決して閑散路線ではありませんでした。蹴上も観光客だけでなく、高校生の利用も多くて、電停に座り込んだ高校生が、電車が警笛を鳴らしながら近づいてくると、面倒くさそうに立ち上がる様子は、ちょっとした名物になっていました。現在は御陵以西は京都市営地下鉄へ乗り入れていて、蹴上にも地下鉄の駅があります。地下鉄直通で、大津方面からの利便性は高まったとはいえますが、料金は割高になってしまいました。
 ところで、京都市LRTについて検討した結果の報告書が公表されていました。
 4路線の採算性確保 京都市が検討報告書 新型路面電車 京都新聞
 次世代路面電車 導入へ両論併記 朝日新聞
 報告書そのものは京都市の公式サイトで読むことができます。
 新しい公共交通システム 京都市都市計画局交通政策課
ざっと流し読みをした程度で、詳細については述べる資格がないので差し控えますが、最後の方で、LRTの導入には市民の合意形成が必要であり、議論を深める必要があると結んであるのは、常識的ではありますが、真っ当な結論だと思います。全体的にもそういう印象を持ちました。
 京都には、かつて碁盤の目のように市電網がありました。市電が廃止になって約30年、代替となるべきバスは乗客離れが進み、莫大な建設費を抱える地下鉄ともども高コスト体質から抜け出すことができない状況になっています。そして時代の流行もあって、再びLRTという形で路面電車が注目されようとしている。どうか今度は数十年から百年以上先を見据えた議論をしていただければと思います。