神都バスを見に行く

三重交通 543号
 伊勢神宮へ行ってきました。18きっぷを活用したため、JRを利用して、草津線経由で柘植、亀山、伊勢市というルートです。関西本線は本来の意味でローカル線ではありませんが、キハ120がエンジン音を響かせながら雑木林に分け入って鈴鹿山脈を越えていくさまは、いかにも18きっぷの旅という趣きがあります。
 それで、三重交通の神都バスに乗ってきました。これはかつての三重交通神都線の電車モ541形543号を模したバスで、昨年の夏にデビューしています。かねてから一度乗りたいと思っていました。
 三重交通神都線は、昭和36年廃線となった路面電車で、参宮電車とも呼ばれたそうです。資料としてはこの本が非常に詳しいです。

三重交通 543号号
 後ろから見た方が電車らしいですね。ハリボテといってしまえばそれまでなのですが、ハリボテにならざるを得ないという制約の中で、可能な限りディテールまで再現されていました。外見から特徴的なのは、丸い屋根やトロリーポールですが、リペット、ウインドシル・ヘッダー、窓の保護棒まで、できることは全部やったという印象を受けました。
 この車両のモデルは543号だそうですが、ご丁寧にバス本来のナンバープレートまで543になっています。電車の銘板を模したプレートにはいすゞ自動車と東急テクノシステムの標記がありました。
三重交通 543号
 内装も手の込んだものです。木が使われていますし、つり革には本物の皮が、握り棒には真鍮が使われています。運転士さんは当時の電車の乗務員の制服を再現したものを着用されています。
 乗車には料金のほかに特別車両料金として290円で利用券の購入が必要です。公式サイトの案内では、事前に利用券を販売することが記載されていますが、今日は車内で車掌さんから購入するようになっていました。
 機会があれば、乗ってみる価値は十分にあると思います。