2つの事故報告書

長崎電気軌道 1502号

 航空・鉄道事故調査委員会から、路面電車の事故に関する2つの事故報告書が公表されました。
 鉄道事故調査報告書要旨 広島電鉄株式会社 宮島線広電西広島駅構内列車脱線事故
 鉄道事故調査報告書要旨 長崎電気軌道株式会社 桜町支線諏訪神社前停留場〜公会堂前停留場間 車両脱線事故
報告書そのものは、専門的で難しい分析が行われていて、私のような素人の手に負えません。2つの事故に共通しているのは、自動車等の第三者によらない原因で脱線したことで、異なっているのは、広電はおおむね規格内に整備されていたのに対し、長崎電鉄は規格を逸脱した部分があったということでしょうか。
 鉄道事故が第三者機関によって原因究明されるようになったのは、日比谷線脱線事故からですから、そう古いことではありません。ましてや路面電車脱線事故がこのように詳細に検討され、報告されるのは、今回がはじめてのように思います。路面電車の場合は、速度も遅いので、比較的大きな事故になりにくいということはあるのですが、やはり輸送機関としての安全性に対する社会の要求は、ずっと高まっていると見なければならないでしょう。そういう意味で、このような事故報告が、事業者の共通の教訓として共有され、電車の安全な運行に資するものとなってほしいと思います。