福井鉄道再建問題 その後の動き(その4)

福井鉄道 モ884+885号

 動きというほど大きな動きはありませんが、このあたりでまとめておきたいと思います。まず11月19日の知事記者会見から。福鉄については、ずっとスクロースして下の方、質疑応答で出て行きます。
 知事記者会見の概要 福井県
 内容を見ると、残すということを前提に、今から何をできるかを考えようという趣旨で、記者が「責任」とか「負担」などを持ち出してくるのをかわしつつ、「責任を議論するのではなくて、それに基づく実行可能な案を議論する」、「是非できるだけいい案を出していただいて、県民の皆さんにわかってもらうことができるかどうか」などかなり踏み込んだ、前向きの発言になっていると感じます。
 11月21日には協議会の第2回会合が開かれ、福井鉄道の経営状況の説明が行われています。
 借入金の内訳整理へ 福鉄側が経営状況説明 福井新聞
名古屋鉄道が一定の負担をして、福井鉄道の株式を備忘価格で譲渡という案があるので、存続案を検討するうえで、負債の状況は重要なポイントのひとつになってきます。増資よりも、有利子負債を圧縮できるような方向での名鉄の協力が得られるのがいいのかなと個人的には思いますが。
 そして11月28日開会の県議会では、知事が福鉄問題についても触れています。
 12月県会開会 国体招致 懇話会で議論 知事 福井新聞
「運行確保は重要であるとの観点から、負担額など十分な議論を行う」、「沿線3市の考えや県会の意見を踏まえ、できるだけ早く結論を出したい」とのことで、記者会見の際と同じような立場での発言になっています。
 他方、清明地区で「福鉄の存続を支援する会」(仮称)の発起人会を立ち上がるなど、沿線住民のみなさんの動きも出てきています。
 福井・清明地区が発起人会 福鉄福武線支援で 福井新聞
 さらに「福武線利用促進市民フォーラム」では福井鉄道からの現状説明があり、記者の取材に対し、福鉄としての新駅設置構想も明らかにしたそうです。
 福鉄福武線 新駅4ヵ所設置も 利用者増へ私案提示 福井新聞
知事の前向きは発言は心強い限りですが、やはり沿線住民のみなさんが利用していくということ、行政がまちづくりのために福武線を活用していくということ、それが存続を後押しすることになるのは確かでしょう。