土佐電気鉄道 運賃値上げへ

土佐電気鉄道 桟橋車庫

 高知新聞土佐電気鉄道が運賃値上げを申請する予定という記事がありました。 
 土電電車値上げへ 14年ぶり均一区間190円に 高知新聞
世の中デフレと言われます。流通の効率化とか海外生産によるコスト削減など、物の値段が下がるにはいろいろな要因があると思いますが、路面電車事業は、人件費の占める割合が高くて、早くから合理化が進んでいることから、大幅な効率化もコスト削減もできない事情があります。事業者によっては、乗務員の契約社員化をやっているところもありますが、個人的には、路面電車の運行という特殊な技術は、世代間で承継していくべきものと思っているので、あまり関心しません。もちろん、乗客がどんどん増えるのであれば、何でもカバーできますが、実際にはそんなことはなく、どこでも減少傾向か、横ばい、ないしは微増程度でしょう。
 土佐電気鉄道の場合は、路線延長が長く、人口密度の薄い地域へ大きく広がっているので、事業の効率としては決してよくはないと思われます。今後、ICカードの導入が予定されているほか、昭和20年代に製造された車両も多数主力として活躍していて、それらの置き換えも必要になります。記事にある「設備の更新・新設」とはそういう意味でしょう。最近は運賃値下げによる乗客増を目指した取り組みも成果をあげているところもあって、運賃値上げと聞くと時代に逆行している感じもしますが、値上げによる乗客離れ等のリスクも踏まえたうえで、諸般の事情を考慮して判断されたのでしょうから、やむなしだと思います。
 均一区間を180円から190円にするとともに、均一区間の見直しも含め、全体として値上げ幅は平均8.6%とのこと。
 もうひとつ、京福電気鉄道が「嵐電」を正式名として使うことになったという記事がありました。
 嵐電を正式名に 記念事業展開へ  京福嵐山線 開業100年に向け 京都新聞
嵐山線開業100周年となる2010年に向けた記念事業の一環だそうです。まだ、公式サイトに出ていないので、詳細は不明ですが、「嵐電」を正式な愛称として使っていくということでしょうか。